オーボエのブレスのコツ!「吐く」!

オーケストラ

こんにちは、きくたまchのたまごです。

今回はオーボエを演奏するうえでの、ブレスのとり方について解説します。

ブレスって息を吸うだけじゃないの?

と思われるかもしれませんが、それだけではオーボエを吹くのが苦しくなってしまいますよ!

基本のブレスは?

基本はもちろん息を吸って、息を楽器に吹き込んで演奏します。

楽器を演奏していると、だんだん息が無くなってきて苦しくなり、そうしたらまた新しい息を吸って演奏を続けます。

そもそも”breathe”の意味とは?

ブレス=breatheの本来の意味は、「息をする」「呼吸をする」などです。

楽器を演奏しているとブレス=”息を吸う”ということだけに着目しすぎているような気がしませんか?

特にオーボエでは、吸うだけでは苦しくなってしまうのです!

オーボエにおけるブレス

オーボエでは空気が余る

オーボエはリードの隙間がとても狭く、吸った息を吐ききることはほぼありません。

(よほど長いフレーズなどでは吐ききることもあるかも…?)

なので、休符の時には新しい空気を吸う前に肺にある古い空気を出さないといけないことになります。

さて、ここで空気について考えてみましょう。

空気の成分には、窒素約78%、酸素約21%、その他アルゴンや二酸化炭素など約1%が含まれていると言われています。

生物や植物は生きるために酸素を必要としていて、呼吸することで大気中から酸素を取り入れていますよね。

例えばMAX100の空気を吸うと、窒素78、酸素21、その他1を体内に取り込むことになります。

しかし、オーボエを吹いているときに100の空気を吸って実際に使うのが半分の50と仮定すると、残りの半分50の空気が体内に余ることになります。

しかもその空気50のうち、酸素は使われてしまうのでほとんどが窒素ということになります。

50の空気を使ったので新しい空気を50吸います。そのうち約39が窒素、約10が酸素ということになります。

そうするとその時点で体内にある空気のうち、89%が窒素、10%が酸素ということになります。

これを続けていくと、そのうち取り入れられる酸素の量はゼロに近くなっていきますよね。これではしんどい、というわけです。

なので、残った空気は吐いて、新しい空気を100吸うのが良いということになります。

吐くことの重要性

余った息を吐くことの重要性はご理解いただけたかと思います。

ですが、この”余った空気を吐く”という動作、慣れるまで意外に難しいんですよね。

実はヒンケの教則本の一番最初に、このことが書かれています。

ヒンケでは、吸う場所と吐く場所をマークで示して、練習を進めるようになっています。

吐くだけのところを作ってみる

ブレスをとる際には「余った空気を吐いてから吸いましょう」と散々書いてきましたが、吐いてから吸うというのは、2つの動作を行うために、当たり前ですが吸うだけよりも時間がかかってしまいますよね。

曲の途中、「吐いて吸って」ができる長いお休みであればもちろん何の問題もありませんが、いつもそういうわけにはいきません。

例えば、R.シューマン作曲「3つのロマンス Op94」という曲は、オーボエ奏者がよく取り上げる曲で、多くの人に愛されている曲ですが、それの第2曲はほとんど休符もなく、吹きっぱなしなのです。

フランス人の世界的オーボエ奏者、セリーヌ・モワネ氏(しんどくなさそうに吹かれています笑)

こういう曲の場合に大事になるのが、「吐くだけの場所を作ること」です。

吐くだけなら、普通の吸うブレスとかかる時間は同じですよね。

ですが、

吐いてしまった後に演奏することができるの!?

という声が聞こえてきそうです。

できます。オーボエなら。

ただ、もちろん吐き切らないことが重要です。余分な空気だけ吐きましょう。

ヒンケにも、吐くマーク「。」と吸うマーク「,」が別々に書かれているところがありますね。

ヒンケの3ページの2番から抜粋

このように、吸って演奏吐いて演奏吸って演奏吐いて演奏…を繰り返すことで、長く休みのないフレーズでも余分な息が余ったりせず、苦しくならずに演奏を続けることができるのです。

変な言い方ですが「呼吸しながら演奏する」感じでしょうか。

ぜひ、ヒンケの最初の1&2番で練習してみましょう。楽譜は簡単ですが、いざブレスのことを考えると難しいはずです。

吐くというのは慣れるまで難しいですが、できるようになると息が上がりにくくなり楽に演奏することができますよ。

ぜひ習得を目指して練習してみましょう!

まとめ

今回は、オーボエ演奏におけるブレスのとり方について解説しました。

特に、短いブレスの時間しかとれず長く吹き続けないといけない曲では、ブレスのとり方がとても重要になります。

よく、「吸わないとしんどい!」と思って休符の度に息を吸っている人を見かけますが、先ほども書いたように吸えば吸うほど不要な息が溜まっていって返ってしんどくなってしまうのです。

まさに溺れている人や過呼吸のようになって、要はパニックのようなものに陥ってしまいます。

オーボエはある意味息を吐いてからでも演奏が可能な楽器です。

本番は緊張で余計にパニックになりやすいので、落ち着いてブレスができるようにどこで吸う・吐くというのをあらかじめ決めておくのいいですね。

息がしんどいオーボエをできるだけ楽に演奏できるよう、ブレスにも注目してみましょう!

それでは!

きくたまch
たまご

コメント

タイトルとURLをコピーしました