こんにちは、きくたまchのたまごです。
オーボエは一般的に高価な楽器として認知されているのではないかと思います。
では、オーボエの詳しい価格帯や、メーカーについても解説します。
オーボエの価格帯
オーボエの価格帯は、新品で5万〜150万円ほどです。
あれ?意外に安くない??
と思われた方も多いのではないでしょうか。
それにはもちろん訳があります(笑)
価格の違いは何の違い?
価格が異なる要素は、主に以下の3つです。
・管体の材質の違い
・キーシステム
・キーの数
・メーカー
管体の材質の違い
グラナディラ
オーボエの管体は主に「木」でできています。
その中でも多く使われているのが、「グラナディラ」という種類です。
一般的には「アフリカン・ブラックウッド」という名前で、その名の通り中が黒い木です。
多く伐採され過ぎて、だんだん採れなくなっているようです。
ローズウッド
グラナディラの他、木でも茶色いものもあります。
これが「ローズウッド」という茶色い木を使ったものです。
グラナディラに比べ、柔らかい音色が特徴で、よく室内楽向きと言われます。
このローズウッドはワシントン条約により取引制限がされており、グラナディア以上に入手が困難になりました。
樹脂製
そして、あとは木ではなく樹脂製のオーボエです。
木でできた楽器はどうしても割れる可能性がありますが、樹脂製だと割れる心配がありません。
ですが、やはり木と比べると、音色に艶やかさや深みはありません。
値段の違いで言うと、ローズウッドが一番高く、続いてグラナディラ、そして安い楽器は全て樹脂製です。
木の材質
樹脂は置いといて…
木は使う部位によって密度や質が異なります。
やはりランクの高い楽器には良い部分を使うようにしていますし、下のランクの楽器はどうしても余ってきた材木を使うことになるので、どちらかというと木の質が良くありません。
ですが個体差ですので、安い楽器でも良い木の場合もあります。
キーシステム
オーボエにはキーのシステムが2種類あります。
「セミオートマティックシステム」と「フルオートマティックシステム」です。
セミオートマティックシステム(セミオート)
今では、セミオートマティックが主流です。
第2オクターブキーがあり、一般的なシステムです。
フルオートマティックシステム(フルオート)
昔は多かったですが、今では使う人が減りました。
長年フルオートを使っていた方が、最近になってセミオートに替えたなんてことも結構あります。
フルオートは第2オクターブキーがなく、第2オクターブの音域は第1オクターブキーを押すことで、代用できるようなシステムになっています。
第2オクターブキーを押さなくて良いなら、楽なんじゃないの?
と思う方もいるかもしれませんが、第1オクターブキーでできるようにキーシステムが複雑化しており、調整も難しく、価格もセミオートに比べて10万円ほど高くなります。
その他、キーシステムが複雑になるので、セミオートに比べて楽器そのものの重さも重くなりますし、抵抗感も強くなります。
キーの数
楽器のカタログを見てみると、付属されているキーが列挙されています。
これらは無くても演奏できるキーですが、あると便利なものです(トリルキーやレゾナンスキーなど)。
一般的にはキーの数が増えれば値段が上がります。
キーが減ると、楽器が軽くなり、抵抗感も減るので、あえて必要ないキーを取り外す方もいます。
メーカー
最後にメーカーによる値段の違いです。
オーボエで主要なメーカーは、
・ヤマハ(日)
・マリゴ(仏)
・ロレー(仏)
・リグータ(仏)
・メーニッヒ(独)
・クランポン(仏)
・ヨーゼフ(日)
…など
が挙げられます。
その中でも、ヤマハは国内メーカーということもあり、同じレベルの機種で他メーカーと比べると、比較的値段は抑えられています。
その他のメーカーは多少の差はもちろんありますが、大体似たような金額の印象です。
機種のランク
オーボエは楽器のランクを3種類に分ける事ができます。
・初級機(スチューデントモデル)
・中級機(初級機と上級機の間)
・上級機(プロ仕様)
初級機
一番価格が抑えられて、余計なキーを省いた機種です。
中学校や高校の部活で使われる事が多く、また初めて楽器を買われる方にもおすすめです。
値段は40〜50万円前後です。
中級機
初級機よりはキーが増えて、演奏が楽になっている部分が多いですが、価格を抑えるために工夫されている機種です。
初級機だと物足りない方で、でも上級機までは手が出ない…という方にはおすすめです。
値段は60〜70万円前後です。
上級機
いわゆるプロ仕様のランクです。
ほとんどの音大生やプロが上級機を使っています。
値段は、ヤマハ以外は100万円を超えるものがほとんどです。
ランク別、おすすめ楽器と価格
完全にたまごの独断と偏見です(笑)
また、この価格は2020年9月14日現在の価格なので、今後変わる可能性が大いにあります。
楽器屋さんによってもかなり変わるので、要チェックです!
初級機おすすめ
YAMAHA(ヤマハ)YOB-431
(希望小売価格 440,000円(税抜))
国内メーカーのヤマハは、最近ユーザーが増えています。
国内でしっかりとしたメンテナンスを受けられるのは熱いですよね。
日本人に合った設計と吹奏感で、この価格の初級機でも音程が揃いやすく、とても吹きやすいです。
Crampon(クランポン)Prodige
(希望小売価格 495,000円(税抜))
クラリネットのメーカーとして有名なクランポンの初級機、プロディージュです。
管体内部は木と樹脂のが一体化された製法で、割れにくくなっています。
学校など大変な環境下で演奏するにはとても安心感があります。
中級機おすすめ
Loree(ロレー)Cabart p+3
(希望小売価格:714,000円(税抜))
ロレー社はオーボエ界の老舗で、とても輪郭のはっきりした音色が特徴です。
アメリカンスタイルの方が多く使われているメーカーでもあります。
このキャバールは中級機なのですが、ロレーの良さもありつつ、重過ぎないので、本格的に吹きたいけど価格は抑えたい方におすすめです。
Marigaux(マリゴ) Strasser 701
(希望小売価格:690,000円(税抜))
マリゴの良さを残しながら、キーを減らしたりベルリングをなくすなどの工夫をして、コストダウンされています。
マリゴの深みのある音色は健在です。
上級機おすすめ
YAMAHA(ヤマハ) YOB-831
(希望小売価格:870,000 円(税抜))
上級機ですが、メーカー希望小売価格は870,000円(税抜)とかなり抑えられています。
たびたび改良が施され、常に新しい要素を取り込み、常に進化し続けるプロ仕様機種だと思います。
ヤマハには、上管内を樹脂層で保護することにより割れにくくなった「デュエット・プラス」という機種もあります。
YOB-831のデュエット・プラス(YOB-831L)は、少し値段が上がり、920,000円(税抜)となります。
Marigaux(マリゴ) Marigaux 901
(希望小売価格:1,080,000円(税抜))
いっときは、「オーボエならマリゴ」というくらいオーボエ奏者の憧れのメーカーです。
深みのある音色が特徴です。
そして、マリゴと言えばこの901は外せないと思います。
マリゴの中では一番ポピュラーで、マリゴの深みのある音色感が際立った機種です。
Marigaux(マリゴ) M2
(希望小売価格:1,570,000円(税抜))
M2は本当に画期的で、普通上管と下管に分かれるところが繋がっており、ヘッドジョイントと言って、上10cmくらいのところが切り離せるようになっています。
それにより、不安定になりがちなGやG♯の音程が改善されています。
しかもそのヘッドジョイントが2種類標準装備されており、状況によって変える事ができます。
Loree(ロレー) Model“ETOILE”SP
(希望小売価格:1,430,000円(税抜))
エトワールは最近開発された新参者です。
今までのロレーの機種とは設計が異なり、豊かな響きや低音の発音のしやすさなどを特徴としています。
エトワールが登場したことで、他のメーカーから移る方もいるとかいないとか。
他にもいっぱいある
実はおすすめしたい機種はたくさんあるのですが、あり過ぎるのでまたそれだけまとめて記事にしたいと思います。
ここに挙げたものほんの一部です。
ぜひ楽器屋さんでご自分に合った一本を見つけてほしいと思います。
まとめ
オーボエの価格帯とそれぞれの特徴を解説しました。
いろんな楽器があり、それぞれに特色が異なるので、ぜひ楽器屋さんで試奏してほしいと思います。
楽器は高価ですが、試奏は無料です!(笑)
ぜひあなたの相棒となる一本に出会えることを祈っています。
それでは!
きくたまch
ブログ担当
たまご
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